去年刊行されたFucking young!によるMarvielabのデザイナーMariavittoria Sargentiniへのインタビュー。ブランドを紹介するにあたり、ここに翻訳して掲載します。少しでもブランドについて知って頂き、興味を持って頂ければ幸いです。



 

デザイナーはMariaVittoria Sargentini、イタリア・ペルージャ出身。アートや哲学、デザイン、ファッションを学んだ後、Antonio Marrasで2年間、Maurizio AltieriのCarpe Diemで3年間アシスタントを務めています。その中でCarpe Diemの上級ライン "Linea" のチームへの参加(現m.a+のデザイナーMaurizio Amadeiが携わっていました)が彼女のファッション感に多大な影響を与え、自身へのブランド設立へと繋がっています。


彼女の自身初となるプロジェクトS+M+Lを2007年6月にピッティで発表し、すぐに注目を浴びます。その後もC.L.A.S.S.やj2、sUole、そしてReCikliなど多くのプロジェクトを精力的に発表しています。最近では、Re_constructionやRe_trace、Re_mindといったプロジェクトを発表。この "Re_" プロジェクトの継続性は彼女自身のオリジンを見つけると同時に再生するためのデザイナーの意思によるものであり、彼女の生活の中で時間の経過とそれによって得た経験をキーコンセプトとブレンドする意味を持ちます。身体と衣服の個人的な関係性、精神と物質の間、現実の場所と精神の場所の間を探検するクリエイション。



あなたの青春時代について尋ねることから始めさせて下さい。どのような幼少時代を過ごしていましたか?

私はイタリア・ウンブリア州とシチリアで過ごした幼少時代の思い出がたくさんあります。自分一人で遊ぶのが好きだった女の子でした。ストーリーを考えたり、ガラクタや家の周りで見つけたものなどから設定を作ったりしていましたね。静かな部屋に閉じこもって、空想に耽って時間を過ごしていました。と同時に、田舎でいとこたちと遊ぶのもとても楽しんだことを覚えています。大体12人くらいいましたね。とても人数の多い家族でした!


あなたがデザイナーになろうと決めたきっかけはなんですか?

中学時代のある日、美術の先生が特別な課題を出したんです。それは魔法の瞬間でした。まるで火花が走った様に、高校でアートを学ぶという道しるべがその時示されたように感じました。もちろん、その時には今の自分を想像していませんでしたよ!


イタリアンヘリテージはどんな意味を持ちますか?

イタリアは私の仕事への取り組み方に大きな影響を与えています。私は過去のイタリアのファッションとデザインを楽しんでいます。伝統的なテーラーリングと多くの著名なイタリアのブランドのスタイルは私の最初の基準となりました。これらの特性は私にとって未だに大きな意味を持っています。


あなたのデザインに目を向けた時、まず思い浮かべるのは丸みを帯びたオーガニックシェイプです。シェイプとパターンの取り組み方を教えて頂けますか?

私は自然をとても愛していますので、その事が私の美学やデザインへのアプローチにおそらく影響していると思います。私はオーバーサイズやソフトなボリューム感を好みます。私の衣服の構造は自由に身体が動く事を想定して作られています。私にとって快適さは不可欠です。私のパターンはクラシックなパターンが基になる事が多いですね。トラディショナルな衣服は毎日着るものとして、また多くのタイプの人々に合うように研究され簡素化されています。その工程を踏襲するためには、シルエットやバランス、配置などに気を付けながら、重要なカットやディテール以外の箇所を削る必要があります。







これに直接的に関連するものとして、あなたの洋服は性別の象徴から解放されていると思いますが、その通りですか?

その通りです。純粋で自然な事として私は考えています。上部構造や性別間の違いはありません。 慎重に選んだオーガニックなマテリアルと日常の着用に耐えうる最小の再構成から成ります。私たち自身と周りのものが快適に感じる完全なる自由の中で私の衣服は着られる必要があります。


デザイナーとして成熟して、あなたは教える立場にもなりましたね。今日のファッション教育で重要な事は何でしょうか?

教える事は元の意味を理解するために何が本物かを認識する事であり、過去を知り未来をよりよくする事、自身の考えを信じ他者の考えを尊重する事、そして本質的なものに戻る事です。情熱、ルール、規律。これが教育者としてデザイナーとして、いつも繰り返すキーワードです。


エモーションをあなたの作品の根底から感じます。どのように自身をコレクションに反映させていますか?

感覚と感性はいつも私の作業の中で衝突しています。クリエーションにおいてエモーショナルな側面は長い間身を潜めていました。ここ最近は私がデザイナーとして個人として熟成してきたおかげで、それを理解し、そういった感情を表現する事が出来ています。10年の活動を経て、全ての原動力は私の仕事の中心にいつもあるんだと気付きました。


現在の社会状況についてお聞きします。世界は急速に狭まり、物事が進むスピードは上がり、交流は “ソーシャルメディア” で行われ、現実はしばしば欠けます。この状況をどう感じますか?

私は 'pre-social' の時代の世代であり、”new technologies” の登場を体感してきました。私は若い世代がこのメディアを使用する事も、そして悪用する事も心配しています。彼らは実際の人生をバーチャルなものに置き換えがちで、その副作用をしばしば見くびってしまいます。しかしもう戻る事はないだろうとも思います。私も利用していますが、単に仕事のためだけです。それに、あまりうまく使いこなせていません。しかしながら、私もこれらのアプリを魅力的に感じている事は否定できません。私は世界を、または人々の生活を見る窓としてそれらを見ています。指先での人類学の研究ですね。






歴史やクラフツマンシップに関連して、イタリアのそれらをどのように後世に残さなければいけないでしょうか?あなたはこれに関わる事ができると思います。芸術性や手作業により作られるファッション、そして慎重に長い時間をかけたクリエイションの工程の未来はなんですか?

私の仕事はとても強くクラフツマンシップや伝統、そして 'Made in Italy' のクオリティに関連しています。しかし、ファッションの世界ではイタリアでの生産が主要の一つとなっており、もはや世界のマーケットでは競争力を発揮できるものではありません。内容とアイディアの観点から一つの物語を革新する能力がないと上手くいく方法を知っているだけでは、後世に残すにも才能を発揮させるにも十分ではありません。私たちは革新しなければいけません。


私たちはメンズウェアの出版社ですから、この業界では真の紳士を育てるのには何が必要か尋ねたいのですが。

私にとって紳士はラグジュアリーなものやファッショナブルなものは着る必要はありません。過去の男性はこの事を真に証明していますし、ファッションやトレンドが変わったのは問題ではありません。あなたの服装と振る舞いには常に密接な結びつきがあります。今日では祖父母たちに備わっていたエレガントで紳士的なマナーは完全に欠落しています。男性を紳士に変えるのは服ではありません。


私たちは皆若い感性を持ち続けたいと思っています。あなたにとって、若さを保つ秘訣はありますか?

アルファベット順に言うと、欲望、夢、(よく)食べる事、戦う、笑う、聞く、愛、観察する、遊ぶ、抵抗、休息、嗅ぐ、触る、旅行。そして時々、セックスをせずに。


Marvielabで本当に作っているものは何ですか?

Marvielabはブランドであり、自身を認識できる共有プラットフォームであり、実験を許されたものです。それは哲学です。Marvielabはアティチュードであり、ファッションではありません。


(出典元:Fucking young!)